先輩と話している時間がいつの間にかかけがえのない物になっていた。
あたしの心が休まる時間。
龍先輩はあたしにない物を持っていて、ホッとした。
この時間が続くとは思っていなかった。
だけど、何処か期待していたんだと思う。
この時間が終わると感じた瞬間、胸にぽっかり穴が開いたみたいだったから。
「朱羅、笑花の目が…覚めたって連絡があった」
嬉しそうに話す龍先輩
喜ばなきゃいけないのに、辛かった。
「よかったね。早く行きなよ」
先輩を見送る目が…
涙で潤んで視界がぼやけて良く見えなかった。
あたしは最低な子だ。
龍先輩といる時間が楽しくて…
目覚めてほしくないって思ってた。
目覚めないでって祈って…
龍先輩があたしから離れるのが怖くて…
龍先輩の腕を掴もうとした。
掴んでも無駄なのに。
先輩の笑顔は彼女さんの物だもん。
あたしに見せる笑顔と違うんだから…

