それから特に変化はなかった。
友恵は前と変わらずあたし達と過ごしている。
龍先輩が好きだという話が嘘かのように…



笑里も部活に励んでいる。
蓮先輩と別れて、龍先輩に想いを告げてから…生き生きしているような気がした。
笑里もやっと楽になれたということなのかな?



あたしはというと、毎日同じように過ごしている。
友恵と笑里と話し、放課後は屋上へ行って時間をつぶしている。



それぞれがそれぞれの時間を過ごしている。
凄く平和な日々



変わったことと言えば、あたしは前よりも龍先輩と親しくなったということくらいか。



龍先輩とは毎日放課後に会っている。
会っているというよりも、偶然出会っている。



龍先輩は病院に行く前に屋上で時間を潰していた。
その時間がたまたまあたしが行く時間と重なるだけ。



話をするだけで何もない。
だけど、幸せな時間だった。



「今日も病院に行くんでしょ?」



あたしが尋ねると、龍先輩は寝転がりながら「ん」と答える。
龍先輩はあまり寝れていないらしい。
知ってから、話しかけていいのか迷った。



だけど、龍先輩は
『話していい。どうせ、誰とも話さないから』
と、言った。



その理由をあたしは笑里から聞いている。
聞いているから、気を使った方がいいか迷ってしまう。



だけど、気を使うことは龍先輩には失礼で…
あたしは今まで以上に龍先輩に話をしていた。