僕らは傷つきながら恋をする。




この恋はあたしの初恋
幼い頃、龍くんと過ごしていた時間は幸せだった。
それは今もそう。



だけど、龍くんにふさわしいのはあたしじゃなくて、お姉ちゃんなんだよね。
龍くんの瞳は…ずっとお姉ちゃんだけを見つめている。



この恋は叶わない。
龍くんは…お姉ちゃんしか見ていないから…。



あたしから受け取った花を、龍くんは花瓶に挿している。
そして、お姉ちゃんのベットの横に置いてある机に置いた。



「綺麗だな。笑花も喜んでるよ。大好きな妹からだもんな」



「そうかな?龍くんからの方が嬉しいんじゃないかな?」



「そんなことねぇよ。笑花はいつも笑里のこと、心配していた。小学生の時だったかな?笑里が男子に絡まれてる時があっただろ?」



そういえば…そんなこともあったような。
確か…あたしが小学校6年生くらいの時だ。
お姉ちゃんと龍くんは中学2年生くらいで…



龍くんと蓮くんが助けてくれたんだっけ。



「あの時、笑花は女の子なのに無茶しようとしてさ。俺と蓮が止めたけど、凄く機嫌悪かった。あいつは笑里のこと、大事に思ってたよ。『たった一人の妹だから』ってさ」



「お姉ちゃんが…」



お姉ちゃんの見た目から想像できない。
おっとりしてて大人っぽくて…
何より、真っすぐでいつも笑顔でいた。



争い事なんてしたことがないし、親と喧嘩しているところも見たことがない。
お姉ちゃんは…争い事が大嫌いだった。



そんなお姉ちゃんがあたしの為に…?
やっぱり…お姉ちゃんには敵わないよ。



あたしには…お姉ちゃんみたいに…
龍くんを庇うなんてできなかったと思う。
ただ立ちすくむだけ。



お姉ちゃんは…
大人っぽくて…可愛くて…強い人。