龍くんとお姉ちゃんの仲は両親にも認められていた。
見た目以上に優しくて、お姉ちゃんを支えている姿を見て、両親も二人の結婚を認めていた。
龍くんへの想いは叶わなかった。
だけど、義兄妹になれる。
妹として傍にいれることは幸せだった。
『お父さんにも認められてよかったね、龍くん』
『…ありがと。でも、大人になるまでは結婚しねぇつもりだから。ちゃんと…笑花を幸せにする覚悟が出来るまでは…このままだ』
『…そんなこと考えなくても、お姉ちゃんは幸せそうだよ?』
お姉ちゃんは男子が苦手だった。
凄く綺麗で人気があるのに、彼氏を作ろうなんてしていなかった。
そんなお姉ちゃんが龍くんを好きになって…
前のお姉ちゃんよりも、今のお姉ちゃんは凄く輝いている。
笑顔も増えたし、何よりも楽しそうだった。
『お姉ちゃんの幸せはお姉ちゃんが決めるはず。お姉ちゃんは龍くんが傍にいるだけで幸せだと思うよ?』
『それでも、覚悟って必要だからさ』
龍くんって見た目以上にしっかりしていると思う。
ちゃんと考えている、お姉ちゃんの事。
それだけ想っているってことだよね?
胸がチクリとするけど、それでもあたしは龍くんとお姉ちゃんが笑顔で想いあっているなら、これ以上邪魔をする気はなかった。
だから、あたしもこの想いを捨て、あたしの事を想ってくれている蓮くんを好きになろうって…。
龍くんの想いを消すために付き合うんじゃなく、真剣に蓮くんの事を想おうと思った。
『蓮くん…あたし…蓮くんの事好きになるように努力する。龍くんの想いを捨てるために利用するんじゃなくて…ちゃんと…蓮くんを好きになるから』
『…笑里のペースでいいよ』
蓮くんはあたしの心の奥を知っているみたいに優しくあたしの頭を撫でてくれた。
凄く温かくて大きな手。
少しホッとしている自分がいた。

