僕らは傷つきながら恋をする。




『龍の事好きだって分かってる。身代わりでも…利用してもいいよ。俺が笑里の傍にいてやる。守ってやるから…俺と付き合ってほしい』



真っすぐな言葉
蓮くんを好きだったら、どんなに幸せだっただろう。



そんな言葉を聞いたら…女の子は誰でも振り向いちゃうよ。
だけど…ごめんね。
あたしは…龍くんしかダメなの。



『…蓮くんを利用するなんてできないよ。あたしは…今のままでもいい。龍くんを見てるだけで…幸せだから』



これは本心
本当にそう思っていた。



だけど…恋心はもろかった。
あたしの想いは蓮くんの言葉によって、ボロボロ崩れていく。



『本当か?強がっているだけじゃないのか?龍を見つめる笑里の目は…いつも無理している。悲しそうな目をしてるのに…龍を想い続けるのか?』



その時、あたしの頬に一粒の涙が流れた。



強がってなんかいない。
あたしは二人の事、祝福しているよ?
二人はあたしの目から見ても、お似合いだから。



悲しくなんかない。
だって…傍にいられてるから。
妹だって思われていても…龍くんはあたしに笑顔を向けてくれる。



平気だよ?
だって…叶わない恋って分かってるから。
あたしがこの気持ちを抱き続けても、龍くんには迷惑かけない。



あたし自身は傷つくかもしれない。
だけど…この想いは止められない。



『好きだから…辛くても大丈夫。だから…蓮くんの気持ちには応えられない』



そう言ったあたしの声は震えていた。
そんなあたしを、蓮くんは優しく抱きしめてくれた。



『れん…くん?』



『…無理だよ。笑里が拒んでも…俺は笑里を守ってく。俺が勝手にしていると思ってて。付き合ってるっていうのも、周りに思わせておけばいい。偽恋人でいいんだ。笑里が龍を想うなら、傍に居させてほしい』