僕らは傷つきながら恋をする。




「あたし、龍くんのこと好きなんだ」



あたしの言葉を聞いても、二人の表情は変わらなかった。
きっと…気づいていたんだと思う。
あたしの態度は明らかだから。



「二人に初めて会ったのは…小4の時だった」



お姉ちゃんと友達だった二人。
お姉ちゃんが男友達を家に連れて来たのは初めてだった。



この時から気づいていた。
『お姉ちゃんは龍くんと付き合ってる』って。



『初めまして、笑里ちゃんだよね?俺は龍。こっちは蓮』



優しそうな笑顔が今も胸に焼き付いている。
一目ぼれだった。
龍くんの瞳は真っすぐあたしを見ていて…
真っすぐで、格好良かった。



『は、初めまして…』



『笑里、一緒に遊ぼ!ね?いいでしょ?』



お姉ちゃんの笑花(えみか)は社交的な性格で、いつも笑顔だった。
だから、男子にも女子にも人気で…あたしの憧れだった。
でも、男子に人気なのに、家に連れて来たことは一度もなかった。



お姉ちゃんは男の人が苦手。
昔からそうだった。
だから、二人がきて、驚いたんだ。



同時に、どっちかと付き合っているんだと気がついた。
でもまだ、二人が来たときはどちらと付き合っているのか分からなかった。



あたしが気づいたのは…
4人で遊んでいる時だった。



二人を流れる空気が…
二人の微笑み会う姿が…
あたしの憧れていたものにそっくりだった。



「見てるだけでよかったの。お姉ちゃんとの仲を壊そうなんて思ってなかった。何度も諦めようとして…それでも諦められなくて…。2年くらい経って…蓮くんに告白された」



蓮くんはお兄ちゃんみたいな存在で。
好きだけど、『家族』に似た感情で接していた。



蓮くんはあたしが龍くんのことを好きと知っていたはずなのに…
それでも…告白してきた。