僕らは傷つきながら恋をする。




「もう!朱羅遅いよ!」



ファミレスに入ると、先に座っていた友恵と笑里があたしを見ていた。
友恵はむすっとあたしを見る。
あたしは一言「ごめん」と謝り、ドリンクバーを頼む。



部活見学が終わった二人からのメールに気付いたのは、10分後くらいだった。
龍先輩と話している時にメールがきていたみたいで、全く気がつかなかった。



笑里がちゃんと話してくれるっていうのに…
聞くはずのあたしが二人を待たせるなんて、おかしすぎる。



「本当にごめんね、笑里」



あたしが謝ると、笑里はいつもの笑顔で首を横に振る。



「気にしないで?あたし達も待たせちゃったわけだし…今日は何も予定ないから、大丈夫だよ」



「笑里は優しすぎ。朱羅はいつもこうなんだから」



確かに、いつも友恵を待たせていた気がする。
10分以上は遅刻するのが当たり前みたいになっちゃって…
友恵を怒らせていたっけ。



「友恵、本当にごめん!ちょっと人と話してたから…」



何度も謝っているあたしを見て、友恵は肩をすくめる。



「もういいよ。話があるのは笑里だもんね」



そう言って、友恵は笑里を見る。
笑里は弱弱しく微笑む。



コップに入っている氷がカランと鳴る。
ぽたぽたと流れる水滴を見つめながら、笑里が話し出すのを待った。



カチカチと時計の針が響く。
アハハッと笑う、同じ年ぐらいの女の子の笑い声が煩く感じて来た。



ふぅっと笑里が息を吸う音が聞える。
顔を上げて、あたしを見ている笑里の表情は何かを決意しているように見えた。