友達と同じ人を好きになるってどういう気持ち?
申し訳ない気持ち?
それとも、友達だからって関係ないって気持ち?
今のあたしの気持ちは…全然それとは違う。
ただ…何も考えないくらい、頭が真っ白。
恋がしたい。
そう思っていたよ?
だから、恋してる二人が羨ましくて…
でも、だからと言って、友達と同じような恋がしたいと思ってたわけじゃない。
あたしは、恋も友情も大切にしたい。
笑里も友恵も大事で…傷つけたくなんかない。
なのに…運命って不思議。
不規則で、どうなるかわからない。
この恋だって、あたしは予測していなかった。
まさか…中庭で見た、あの人が龍先輩だったなんて…
運命って悪戯だ。
悪戯で…こんなにも切ない。
「初めてみました、先輩の顔」
「…いつもフードで隠してるからな。俺もまさか、君がここに来るなんて思ってなかった。二人を待ってるのか?」
あたしはコクリと頷いた。
そしてふと、笑里と龍先輩が話していた言葉を思い出す。
「先輩は…病院にいくはずじゃ?」
「だったんだけどな。なんか、怖くてさ」
と、龍先輩は自嘲気味に微笑む。
龍先輩のその表情は、何か抱えているような気がして…
「…龍先輩って感じじゃないですね」
「…だろうな。君が思う俺が分からないけど」
あたしが思う、龍先輩。
バスケをしてる時、真っすぐで…
笑里想いの凄く優しい人。
何かを抱えてるなんて似合わない気がした。
龍先輩の笑顔は…凄くキラキラしていたから。

