でも、友恵は薄々気づいていると思う。
笑里の表情がいつもと違うから…。
二人が部活見学に行っている間、あたしは校舎をグルグルと回っていた。
それしか、時間をつぶせることがなかった。
勉強をする気はない。
かといって、部活見学をする気にもなれない。
部活になんて、入る気にもなれないから…
友恵と笑里が羨ましく思える。
二人はちゃんと、やりたいことが見えている。
あたしはきっと…逃げてるだけ。
恋がしたいって言ってるけど…
心のどこかでは、恋をするのが怖い。
龍先輩に恋してる二人は…
やっぱりあたしとは違う。
振られるって分かっても、好きって気持ちは…
あたしにはよくわからないよ。
校舎を歩いていたあたしの足はそのまま屋上に向かう。
何となく、外の空気が吸いたくなって…空を眺めたかった。
中学の時の部活の先輩が言っていた。
『何かに悩んだら空を眺めるといい』って。
あたしの憧れだった。
いつも前向きで…
格好良くて…
あたしの初恋の人…だったんだと思う。
でも、恋よりもあこがれが強かった。
だから…何も言わず、卒業を見送った。
だけど…目を閉じると、思い出す。
先輩の事、先輩の笑顔とか優しさ。
恋って…どんな感じ?
先輩のあの時の想いはただの憧れで…
あたしにはよくわからない。
屋上に出ると、優しい風があたしを包み込む。
あたしは気持ちよさに目を細めた。
「…気持ちいい」
少し熱い日差しがあたしを刺激する。
あたしは目を細めて、太陽を見る。
「…暑すぎ」
シャツに汗が吸いつく。
肌に密着して、少し気持ちが悪い。

