僕らは傷つきながら恋をする。




「なんで…知ってるの?」



「…見てたら分かるよ。笑里…先輩の前では、違うから」



龍先輩と蓮先輩では、態度が違う。
すごく分かりやすかった。



あと…龍先輩を見つめる瞳が…少し違っていた。
だから…気づいたんだと思う。



中学生の時のあたしなら、気づかなかったと思う。
恋なんて興味がなかったから…



でも…恋することは今のあたしの憧れて…
恋してる笑里に、無意識に気がついた。



「笑里には…蓮先輩がいるよね?」



あたしが尋ねると、笑里はふっと肩を竦める。



「その話は…体育祭が終わってからでいい?ちゃんと…話すよ」



「…うん」



遠くで試合終了のホイッスルが鳴る。
私は、近寄って来る蓮先輩と龍先輩を他人事のように眺めていた。



頭の中では、笑里が龍先輩を好きという事実がぐるぐる回っていた。