僕らは傷つきながら恋をする。




見ているこっちが泣きたくなるような…そんな瞳をしていた。



「朱羅は…龍くんのこと、誤解しているんだと思う。…ううん。してる…よね?感じ悪い人だって。でも…違うの」



笑里は龍先輩からあたしに目を移す。
その瞳はまっすぐあたしを見ていた。



「龍くんは…優しい人なの。誰よりも…ね。今はあんな感じだけど…それには理由が…」



「…もう、思ってないよ」



あたしはふっと笑みを見せる。



龍先輩のこと、最初は勘違いしていた。
感じの悪い人だって思ってた。



だけど…笑里が好きな人だから…きっと悪い人じゃないと思った。



悪い人が…こんなにも人を魅力するバスケをするはずがないって思ったから…



「…そんなに必死にならなくていいよ」



「…ごめん。朱羅にも…ちゃんと分かってほしかったから…」



笑里は…龍先輩のことで、頭がいっぱいなんだねと思った。



そんなにも…龍先輩のことが好きなの?
蓮先輩のことよりも…。



友達だから…笑里の気持ちに口出しするつもりはないけど…蓮先輩が可哀相だよ。



そう思ったあたしは、周りの人に聞こえないように、小さな声で呟く。



「龍先輩のこと…好きなの?」



「…え?」



あたしの呟きに、笑里は反応する。
あたしはふっと微笑んだ。



「龍先輩のこと…好きなんでしょ?」