「朱羅!笑里!」
だけど、友恵がこっちに走り寄って来るのをみて、足を止める。
「友恵、お疲れさま」
「ありがと、朱羅!あっ!龍先輩、此処にいたんですか?さっき、蓮先輩が捜してましたよ」
「…次、試合だからな。友恵、さんきゅ」
ポンッと頭を叩き、笑里に一言告げてから、龍先輩は蓮先輩の元へ走っていった。
そんな龍先輩の背中を、何故か友恵はポーッと見つめていた。
やっぱり友恵は少し変だった。
龍先輩を追いかけたときから…
「龍くんの試合かぁ…二人とも見てく?」
「あ…うん」
「もちろん!」
二人の笑顔が眩しすぎて、言葉が出なかった。
ねぇ…二人とも…
もしかして…
龍先輩のこと、好きなの?
二人の嬉しそうな笑顔は、恋する女の子の表情によく似ていて…
でも…二人は気付いていない。
特に…友恵は気付いていないと思う。
友恵は恋愛をしたことがない。
きっと…これが初めての恋
初めての恋が…叶わない恋なんて辛い。
龍先輩には彼女がいる。
まだ会ったことないけど…笑里のお姉さん。
きっと…綺麗な人だと思う。
友恵…どうして…龍先輩に恋してるの?
淡い気持ちを胸に抱いているのはどうして?

