ゴールテープを切った笑里が笑顔で走ってくる。あたしは嬉しくて、思わず笑里を抱きしめた。



「やった!今のところ、1位!笑里凄いっ!」



「えへへ…ありがと!頑張っちゃった!」



汗を拭いながら微笑む笑里
同じくリレーをしていた友恵も戻ってきて笑みを浮かべる。



「笑里をアンカーにして正解だったね。このまま行けば、焼肉食べ放題はあたし達のクラスのものだね!」



焼肉食べ放題と聞いて、あたしの目は輝く。
今のところ、あたしたちのクラスは3年生と2年生を押さえてトップ。



このまま順調にいけば、景品を貰えるという嬉しさで、笑みが零れる。



そんなあたしと対象的に、笑里の表情は曇っていた。



「蓮くんと龍くんのクラスが2位かぁ…」



「あたし達のクラスとの差があまり開いていないね。結構強いクラスなの?」



「龍くんから聞いたけど…2年連続で優勝してるみたい」



それを聞いて、あたしは言葉を失う。
どれだけ強いクラスなんだろう。



「だから…今回も優勝するだろうなぁって。なんでも、スポーツ推薦で高校に入学した人ばかり集めたクラスらしいし」



「…強いはずだね」



聞いただけで、『最強のクラス!』ていう感じがした。
思わず溜め息が洩れる。