「…ありがとう」
「で、さっきから隣にいるこの子達は友達か?」
「う、うん。紹介したいって言ってた子だよ。朱羅と友恵。友ちゃんはバスケ部に入るから…龍くんのこと、教えておきたくて…」
「…そっか。よかったな」
ポンッと笑里の頭に手を置き、龍先輩はズレかけたフードを深く被る。
「じゃ、俺行くわ」
「りゅ、龍っ!」
龍先輩はスボンに片手を突っ込み、空いている片手でひらひらと手を振って体育館から出て行った。
あたしはそんな彼の様子をムスッとした表情で眺めていた。
「…感じ悪い」
ボソッと呟いた声は隣にいた友恵に聞こえていたようで、友恵は眉をひそめる。
「…ごめんね?龍くん、人と話すの苦手だから…」
笑里が何故か謝っていると、友恵が龍先輩の後を追うように走って体育館を出て行った。

