僕らは傷つきながら恋をする。




「小6って…」



「小4の時に会って…そのとき、蓮くんは中1だったかな?それからずっと…」



「喧嘩とかしないの?」



「しないよ?ずっと近くにいたから…」



なんだか羨ましく思った。
だけど、笑里の表情は曇っていた。



「…笑里?どうしたの?」



「…うん…ちょっと…」



笑里はきょろきょろと、体育館を見回していた。
まるで誰かを捜しているかのように。



「やっぱり…いない…」



「誰か捜しているの?」



「…うん。二人に紹介したいって言ってた人。本当は蓮くんと一緒に紹介したかったんだけど…やっぱりいないみたい」



笑里は深く溜め息をつく。
蓮先輩を見つめている瞳も悲しみを帯びていた。



ピピィィーと試合終了のホイッスルが鳴ったと同時にパーカーのフードを被った人があたし達の横に立っていた。



「…蓮、余裕じゃん」



そのボソッと呟いた声に、笑里は反応する。



「…龍くん?」



「笑里、おはよ」



龍と呼ばれた彼はフードを深く被っていて、顔は良く見えなかったが、微かに唇が上がっていた。