「あと、笑里のことをよろしくな。こいつ、いろいろあるからさ…」
「蓮くんっ!」
笑里が珍しく叫ぶ。
あたしは蓮先輩の言葉に引っ掛かった。
いろいろあるからさ?
どういうことだろうと不思議に思い、笑里を見るといいづらそうにしていた。
あたしと一緒にそれを見ていた友恵は、ふっと蓮先輩に笑みを見せる。
「笑里は友達です。一人にしませんから」
「…ありがとな。俺は歳違うし、いつも一緒にいれる訳じゃないからさ」
「蓮くんは心配しすぎだよ…。あたしの保護者でもないのに…」
と、笑里は少し唇を尖らせる。
蓮先輩は『そうかもな』と少し寂しそうにポツリと呟いた。
「でもさ…どうしても気になっちまうんだよ。あいつのこともお前のことも」
「あたしより…彼を気にしたほうがいいよ。あたしは大丈夫だから」
そういって、笑里は微笑んだ。
『大丈夫』と言った笑里を心配そうに見つめて、蓮先輩は微笑んでいた。
「試合出るんだろ?応援に行くよ、あいつと一緒に」
「…うん。蓮くんも決勝までいってね?」
「あぁ!じゃ、また後で」
笑里の頭をくしゃくしゃ撫でて、蓮先輩はコートに戻って行った。

