「見に来てくれたのか?」
「って言っても、蓮くんが目当てじゃないんだけどね」
それを聞いて、彼は眉をひそめる。
そして、ハァーッと溜め息をついた。
「龍を見に来たのか。あいつならいねぇよ」
「…そっか。バスケに出るって言ってたのにな」
残念そうな表情を浮かべる笑里に、彼は肩を竦める。
「あいつは決勝のときの切り札って感じかな。出たくないって言ってたけど、無理矢理出場させた」
「じゃあ…また見に来るね。あっ、そうそう!」
笑里は思い出したように、あたしと友恵の腕をぐいっと掴んで引っ張る。
「この二人があたしの言ってた子だよ。友ちゃん
と朱羅!」
「あぁ!初めまして、三年の木鈴 蓮です。一応、バスケ部のキャプテンやってるからよかったら見学にきてね」
「倉本 朱羅です」
「あ…森本 友恵です。あたし…バスケ部入部考えてて…」
友恵がそう伝えると、蓮先輩は嬉しそうにニッと子供のように笑った。
「ありがと!女子と男子、別々だけど結構仲良いし、一緒にやること多いから、女子のキャプテン怖かったら何でも俺に聞いて良いから」
「あ…ありがとうございます」
人懐っこい感じの人だなとあたしは思った。
誰が相手でも、壁を作らない感じが笑里に良く似ていた。

