「…委員長で忙しいのに?」
「委員長と言っても、そんなにやることないみたいだし…バスケ好きだから、まだやりたいと思って。…急にどうしたの?」
「なんか…置いてかれてるみたいでさ」
そんなのただの気のせいだと思う。
二人はやりたいことをしようとしているだけ。
なのにあたしは一人ぼっちになっている気がしている。
落ち着いて考えてみると、馬鹿みたいだ。
「ごめん、気にしないで」
「朱羅は昔から焦りすぎ。朱羅は朱羅のしたいことをすればいいと思うよ?一人ぼっちって…放課後まで一緒だし」
「…そうだよね」
追い詰めて馬鹿みたい。
あたしはハァーッと息を吐いた。
「せっかくの高校生活、楽しまないと損だよね!」
あたしが笑顔を見せると、友恵は安心したようにフッと笑う。
「…うん。それでこそ、朱羅だよ」
この時、あたしは少しだけ高校後の進路を考えてしまった。
どれだけ傍にいても、いつかは離れる時がくる。
もしかしたら、丁度いい機会なのかもしれないとふと思った。