僕らは傷つきながら恋をする。




「体育祭ていうか、クラスマッチみたい」



黒板に書かれた種目を見て、あたしはボソリと呟く。
あたしの言葉が聞こえたのか、笑里はクスクスと可笑しそうに笑う。



「この学校独特のものみたいだよ。面白そうだよね−」



「笑里、スポーツ得意なの?」



「あたし、陸上とバスケやってたんだ。バスケはある人から教えてもらったんだけど」



だから少し肌が焼けていたのかと、あたしは納得する。
笑里のイメージにピッタリだと思う。
活発で、楽しそうにする笑里の姿が思い浮かんだ。



「朱羅は?」



「あたしは野球をちょっとだけやってたくらいかな…」



「じゃあ、部活やらないの?朱羅、運動部とか似合うのに」



笑里が首を傾げる。
あたしはうーんと眉をひそめた。



「なんにも考えてない。運動部は時間とられるだろうし…」



あたしは勉強や部活よりも遊びたかった。
ううん…恋がしたかった。
高校生になったら彼氏を作ろうと密かに決めていた。



「じゃ、朱羅だけかぁ。友ちゃんも部活入るって言ってたし」



「嘘っ!?」



あたしは思わず、大声で叫んでしまった。
あたしの声に、教卓に立っていた友恵は眉をひそめた。



「朱羅、うるさい」



「う…ごめん」



その瞬間、クラスで笑い声が響く。
あたしは穴があったら入りたいくらい、真っ赤になっていた。



友恵はクラスの委員長を任された。
あたしはクラスの盛り上げ役のような存在になっていた。



中学の時と変わっていない。
だけど、これは恥ずかしすぎた。