僕らは傷つきながら恋をする。




笑花さんはカップをソーサーに置く。
ふふっと笑みを浮かべた。



「…気になったのよ。龍…全然話してくれないから」



それはどういう意味だろう。
あたしにはよくわからなかった。



あたしは不思議そうな顔をしていたんだと思う。
笑花さんは面白そうにクスクス笑う。



「あなた…鈍感なの?龍みたい…」



「…え?」



笑花さんの目が真っすぐあたしを見つめる。
その瞳が何か語っているように感じた。



なんだか…いやな予感がする…。




その予感は的中した。
彼女はあたしの顔を見つめ―――



「あたしが…気づかないと思う?あなた…龍のこと…好きでしょう?」



ドキッと胸が大きな音を立てる。
声が出なくなる。



そんなあたしに追い打ちをかけるように彼女は話す。



「あたしがいない間…龍と…過ごしてたんだね。龍は何も言わないけど…分かりやすから…すぐ分かったわ。龍…あなたの顔をちゃんと見ないんだもん…。あたしを気にしているせいかもしれないけど…」



ふふっと彼女の表情が綻ぶ。
あたしは何を話せばいいのかわからなかった。



あたしの目の前にいる彼女はすべて気づいている。
あたしと龍先輩が屋上で話していたことも…?



それは分からない。
だけど……



すべて見透かされているような気がした。