僕らは傷つきながら恋をする。




結局断れなかった。
あたし達は龍先輩と笑花さんと一緒に町を歩く。



二人が話している姿を見ると、悲しくなる。
分かっていたはずなのに、断ることが出来なかった。



凄く…可愛い人。
笑里とはちょっと違うけど、魅力的で…。



あたしとは正反対だ。
龍先輩は…こういう人が好きなんだ。



まるであたしじゃないといわれているみたいで落ち込んでしまう。
こんなのただの被害妄想。



龍先輩にそう言うつもりがないことは知ってる。
あたしがそう勝手に思っているだけだって。



下を俯きながら歩くあたしを心配そうに笑里と友恵は見ていた。
笑里と友恵は顔を見合わせる。



「朱羅…危ないよ?」



友恵が声をかける。
あたしは『大丈夫』と小さな声で答えた。



ポツポツと歩く足。
考えたくないのに考えてしまう。



龍先輩と…笑花さんのこと…。
考えたくないと思うば思うほど考えてしまう。



いやでも頭が二人の事を浮かばせる。
そんなの…あたしは望んでいないのに。



いや…あたしは何処かで思っているの?



『目覚めなければよかったのに…』
あたしの心が嫉妬に変わる。



お願い。
出てこないで。



あたしは…そんなこと思っていない。
龍先輩が悲しむようなこと、思っていない。