「ね?いいでしょう?」
彼女は笑みを絶やさない。
でも…その瞳は何故かあたしを見ていた。
ただ真っすぐ。
その瞳を見ると、声が出ない。
出そうとすると、何かが引っ掛かる。
彼女の隣にいる龍先輩ははぁーっと溜め息をつく。
「笑花、困らせるな」
「だって、あたし達が行くところは同じでしょ?だったら一緒に行った方が楽しいじゃない!……ダメかな?」
「そ、そんなこと…」
やっと出た声は少し枯れていた。
水分を欲している。
笑里はあたしの顔を不安そうに見つめる。
「朱羅、いいの?」
ひそひそと声をひそめて尋ねる。
あたしはコクリと頷いた。
「だって…断れないでしょ?」
「…もう」
笑里は呆れたように肩を竦める。
「お姉ちゃん、いいってさ」
「わぁ、ありがとう!」
彼女は両手であたしの手を包み込む。
その笑みと手が凄く温かかった。

