「龍くんに誕生日プレゼント買わないの?」
笑里が首を傾げる。
「…うん」
本音は渡したい。
だけど、関係ないあたしが渡しても…喜んではくれない。
笑里には渡す理由がある。
龍先輩にとって、笑里は妹のような存在。
笑里にとっても、龍先輩はお姉ちゃんの彼氏で大切な人。
だけど、あたしはただの相談相手。
気が向いたときに話す仲。
お互いのことだってあまり知らない。
友達なのかもわからない。
彼女でもない。
どうやってあげたらいいのか分からない。
そして、先輩がどんな反応をするのかが怖い。
結局、あたしは臆病なんだ。
元気に明るくしているのも、ただの強がり。
こんなことさえ、行動に移せないんだから…。
俯くあたしを見て、笑里は何か考える。
『そうだ!』と声を上げ、提案をした。
「あたしと朱羅が一緒に選べばいいのよ。朱羅が選ぶだけでも、誕生日プレゼントになる。心を込めれば、龍くんも喜んでくれる。ね?そうしよ?」
笑里が気を使ってくれたのが、あたしは素直に嬉しかった。
「うん…ありがと…」

