「そういえばお姉ちゃん、今日から学校に来るみたいだよ」
笑里は思い出したように話す。
あたしは目を丸めた。
昨日まで入院していたのに、早すぎ。
いくら元気だからって、精密検査してくていいのだろうかと心配になる。
あたしの不安に気づいたのか、笑里はふふっと微笑む。
『安心して』と説明する。
「大丈夫。お姉ちゃんの希望なの。精密検査では異常なかったし、病室にいても景色はつまらないでしょ?それに、『病室にいるより龍の傍にいたい』って我が儘言ってさ…あたしと龍くんが見張ることで許してもらったの」
聞いていると、元気なお姉さんだ。
『病室にいるより龍の傍にいたい』
その言葉を聞いて、表情が暗くなる。
それだけ、龍先輩のことが好きなんだなと感じる。
「でも、どうしてそれをあたしに?」
「何となく。もしかしたら会うんじゃないかなって思って。そうなる前に言った方が緊張しなくて済むでしょ?」
と、笑里は笑みを浮かべる。
「いや…逆に緊張しそう」
いつ逢うかドキドキしながら過ごさなければならない。
笑里の傍にいたら、必然的に会う気がする。
そうじゃなくても…
龍先輩に会う時に会いそう。
いやなわけじゃない。
龍先輩の彼女を見てみたい気もするから。
だけど…一方で不安なんだ。
龍先輩の好みがわかってしまいそうで…
比べてしまいそうだから。

