小豆side

大ちゃんと遭遇して少し落ち着いた私

何か汚れた物がスーッとなくなってゆく感じ

「・・・大ちゃん、

ありがと、もう大丈夫だよ」

そう言って私は一人でに立ち上がって、

スカートの表面を払った

「・・・無茶すんなよ?」

大ちゃんは少し困った表情を浮かべながら、

私の頭をポンポンと叩いた

そういえば今気づいたけど・・・

立ち上がった私と

立てひざをした大ちゃんの高さは

それ程変わらなかった

・・・あたし、

どんだけ小さいんだよって話だね

や、大ちゃんがデカイだけだ・・・

「べ、別に何でもないよ」

また出た、私の意地っ張り発言

どんだけ強がってんだ私

「ふっ、変わんねーわ、お前」

「な、何よう」

プーと私が頬を膨らますと

すかさず大ちゃんは

「ぶひょっ!?」

私の膨れた頬を潰す

お陰で変な声が出て、思わず顔を伏せた

「も、もう知らないんだからね」

「へいへい、わかりましたー」

そう言いながら大ちゃんは

笑顔のままで私を見つめていた

視線が痛いほど伝わってくるのがわかり、

また私は頬を赤らめた

あーあ恥ずかしい

そう思いながら学校を後にした

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「はっひー疲れたああ」

「お疲れ様」

自宅、てゆうか警察署に戻ってきて

自分の部屋に戻ってきてから

一気にバタンキュー

ベットにダイブした私に奈緒ちゃんは

「ちょっと小豆、スカートめくれてる」

って言いながら私のスカートを直してくれた

「えへへ」

取り合えず照れ隠し

「アンタさ、

オフとオンの差激しすぎない?」

「へい?」

「まあ入学してから一ヶ月過ぎたわけだけどさ、

何かあんまり学校にも慣れてなさそうね?」

「んまあ、色々ありますからねえ」

ぶっちゃけ私って人間不信って奴だろうね

自分からは話しかけに行かないし

話しかけられるの

待ってるだけじゃダメだって思う

でも怖くて行けない

「もっと友達作らないと」

「いーのー、

鈴可ちゃんと色葉ちゃんがいるもん」

事実2人がいてくれるだけでいいんだ

・・・うん

「ま、アンタが頼れる人1人でも

見つけてくれたからいいわ」

あ、忘れてた

「あのね、今日、クラスの子が

話しかけにきてくれたんだよ!!」

「へえ、そうなんだ、よかったわね!」

「うん!!」

いけない、樹里那ちゃんと瑠璃ちゃんの事、

忘れる所だった

やっと友達になれたんだもん、嬉しいよ

「ん・・・ねえ、ちょっと小豆」

「ん?何?」

奈緒ちゃんがなにやら

親密な顔でこっちを見ていた

「・・・どうしたの?」

さっきまで楽しく会話していたのに、

急に鋭くなった目つきに不安が押し寄せた

大体、奈緒ちゃんは

お姉さんタイプで世話焼きだ

んでちょっとやそっとじゃ

目つきを鋭くしない

怒る時は眉間にしわをめいっぱい寄せるだけで

目つきは変わらないのが特徴だった

でもって、

大抵目つきが鋭くなる事がある場合は

「コレ・・・何したの?」

「へ?何もしてないよ?」

「でもコレ・・・おかしいよ」

私でさえも気づかない

ちょっとした変化に気づく時だった

「ちょっと、見てみなさいよ」

「見るって・・・何を」

「いいから、ホラ!」

奈緒ちゃんが

指差す所は私の太もも裏だった

「ん・・・?」

「ホラ、ココ!

おっきい痣が出来てるよ、何したの!?」

「!?うわ、何コレ!?」

青白くなっている痣がクッキリと残っている

「どこかにぶつけたの?」

「ううん、ぶつけてない・・・」

覚えがない

何でこんな所に出来たのか

全くわからない

「・・・今日、何かおかしなことあった?」

「え?」

「急に具合悪くなったりとか、

何か感じたりとか・・・」

・・・言われてみれば、

忘れ物を取に行ったあの時

何か感じたし、

大ちゃんに合った時具合が悪くなった

「えっと・・・何もなかったよ!」

「本当に?」

「うん、本当だよ!

あーそういえば、あの時転んじゃったんだったよ、

あはははは」

「そう、それが原因ってわけね?」

「うん、そうそう!あーもービックリした!」

「こっちこよ、ビックリするのは、

女の子でしょ?ちゃんと気使いなさいよ」

「はーい」

「今、救護室から湿布貰ってくるからね」

「うん、お願いしまーす」

そう言って奈緒ちゃんは部屋を出て行った

・・・奈緒ちゃんに心配かけちゃダメだ

だから言わないでおこう

それに間違いだったかもしれない

でも・・・こんな所に

痣が出来るなんておかしい

第一理由がわからない

そういえば、奈緒ちゃんも見える人だ

大ちゃんもそうだったけど

幽霊や妖怪が見える人だ

鈴可ちゃんと色葉ちゃんは

見えないって言ってたな

まあ、そうすると

結城くんも見えなさそう・・・

でも千歳くんは念写能力者

何か感じるだろうし、

見えなくはなさそうだな

どうしよう、

誰かに相談したほうがいいのかな・・・

でもきっと迷惑だよね

具合が悪くなった事は大ちゃんとの秘密

痣が出来た事は奈緒ちゃんとの秘密

そうしとこう

理由は後々わかるだろう、

そんな緩い考えをしていた私がバカだった

コレこそが事の発端だと言う事を

私達はまだ知らなかった

これからどんどん風向きが悪くなってゆく事を

夏虫疑氷(かちゅうぎひょう)

私は見識が狭い

自分で勝手に思い込んで

知らないふりをしているだけなのかもしれない

周りはこんなに暖かいのに、

何で強がってるんだろね

そんな事も私は知らない