「さ、付いたわよ」

え、早

「ちょっと待って・・・
 点滴の心準備がまだ・・・」

「つべこべ言わないの!
 早く来なさいよね!」

拒否権くらい、

頂いてもいいじゃないですか!!

私はしぶしぶ、

奈緒ちゃんに手を引かれて

病院の中に連行された

病院の中は

独特の匂いがいつもする

それに私は

酔しれてしまいそうになる

ま、定番中の定番なんですよね

待合室は人が少なくて、

すきすきだった

そして、病院の定番って言えば

・・・幽霊だよね?

よく心霊現場とかは夜の病院って

悪霊のアジトだったり

もちろん、

昼間にもウジャウジャと

いらっしゃります

奈緒ちゃんや周りの人には

全く霊感がないらしく

見えてないみたいですが

私にはバッチリ見えてます

中には昨日亡くなられた人や、

実に百年前に亡くなられた人、

時には落ち武者さんまで

いる事が多々あるんです

見える人には見える・・・

怖いよね、私も怖くなるんだけど

そして人間観察ならぬ、

幽霊観察をしていると

すぐに名前が呼ばれて

処置室へと連れて行かれた

「それじゃあ、
 最初に体重をお願いします」

看護婦さんが

体重計へと案内してくれた

病院の体重計ってだいたい

メモリのクルクル回る奴が多いよね

なんでだろ・・・

なーんて考えながら、乗ってみると

体重が恐ろしい事に・・・

「・・・きょ、拒食症ですか?」

違います、

ただ単に寝てて食べてないだけです

思わず看護婦さんに尋ねられちゃいました

私自身も食べたいんだけど、

胃が拒絶しちゃって、

まともに食べられないんだよね

邪気とか瘴気とかが、

邪魔しちゃってねえ

そして、ベットに寝かされて点滴・・・

私の腕にアルコールの消毒がされる

空気に触れると

ヒンヤリとした感覚がして

いよいよって感じがした