「小豆!お待たせー!
 ・・・って大地っ!?
 何、あんたも一緒だったの!?」

「よぉ、奈緒姉、遅かったじゃん?」

チビ豆の指揮官、そして俺の姉の

空乃奈緒

あ、俺と苗字が違うのは

奈緒姉が仕事の時に使う

別の名前だからだ

「えぇ、まぁ、道路が混雑しててね
 ・・・ってそれより、あんた!」

「な、何だよ?」

いきなりキレやがった

・・・このバカ姉

「小豆になんも
 してないでしょうね!?」

「は!?するわけねぇーじゃん!」

「ならいいけど・・・」

てか、このチビに

何をしろって言うんだよ!!

色気もなんもないこ、幼稚園児にさ

「それよか、小豆は大丈夫?」

「あぁ、死んだみてぇーに
 眠ってるだけだよ」

「はぁ・・・よかった」

「何で?別にさっきの相手、
 そんな強くなかっただろ?」

「まぁ、そうなんだけど、
 ちょっと心配だったのよ」

「心配性だな、相変わらず」

「小豆はね、あんたと違って、
 ひよっ子なんだから!か弱いのよ!」

奈緒姉はマジで心配してたみてぇだ

でも、俺は

「結構強い奴だと思うぜ、チビ豆」

「えっ、どこか?」

「心とか・・・」

「あんたサイコメトリーでしょ?
 もうちょっと正確に読み取れないの?」

「う、うっせよー!
 とりあえず、ここじゃなんだから、
 とっとと帰るぞ」

「わかったわ、すぐ車持ってくるから」

「おうよ」

そういうと、奈緒姉は

小走りで駐車場へ向かっていった

「・・・」

スースーと寝息を立てる、

チビ豆を見ると

ふいに、こいつの中から

幼い記憶が流れ込んできた