すると靄がホロホロと取れてなくなった 「…空気が変わった」 「わかるの?」 「…なんとなく」 靄が消えて辺りに澄んだ空気が漂う さっきまでとは大違いだ 「…悪しき力よ、ここらか立ち去れ」 小さく呟いた呪文と共に 私の心臓部分に黒い穴が開き キラキラとした光に包まれて 赤ちゃんが消えていった 「…良かった」 でもちょっと不思議だ 赤ちゃん本体からは何も感じられなかった 憎しみの強い念を宿していたのは 回りを取り囲んでいた靄のみ