「つ、ついたーっ!!」

 「あっ、ちょっ、莉奈!」

 後ろで明希が呼んでいた気がするけど気にしない。
 私は目の前の川にテンションが上がっていた。

 ピチャピチャと手で水を触れば、冷たくて疲れていた私にはちょうどいい。

 「飲んじゃダメかなー……」

 「いやいや、それは汚いからやめろよ」

 隣から桐谷君からの突っ込みが入る。やっぱダメか……冷たくて美味しそうなのに。

 折角川に来たので水遊びを決行することにした。
 明希や桐谷くんを巻き込んで。


 「み……宮城君もやろー!」

 勇気を出して声をかけてみたが「俺はいい」と断られてしまった。

 ちぇー……。


 不貞腐れながら水を蹴っていたら、足を滑らせ転ぶ自分。

 うぅ……びしょ濡れだし最悪だ……。