「今日から入院の小林修真だ。実理。これから面倒をみてやりなさい。」
学校から帰ってきた。まっさきに父がそう言った。父に、こんなことを言われたのは初めてだ。もちろん
嫌に決まっている。
「なんでアタシなの?」
「お前が一番年が近いからだ。」
そんな理由かよ。最悪。
「はあ。」
「なんでため息をつくんだ!!修真は。。。」
父はそれ以上は何も言わなかった。何故かはすぐに分かった。
「俺、あと100日なんだ!」
修真がいきなり口を開いた。
100日ってどういうこと?
100日しか生きられないってこと?
何で?どうして。。。?
「・・・こいつは末期のガンなんだ。」
「そ、そうなんだ。じゃあ、アタシが面倒見てあげるよ。」
「実理。すまない。」
はあ。なんで。。。まあ明日から夏休みだし、いいかあ。
「実理ちゃん、ごめんね?」
「あ。ううん。いいよ!」
「実理って呼んでいいか?」
「うん!いいよ。じゃあ、そっちは修真でいい?」
「もちろん!」
修真は何か違う。
死が目の前の人は今までたくさん見てきた。
皆が皆、悲しそうな顔をしている。
修真は笑顔だった。
修真は自分の死と向き合っている気がする。
そんな修真に私はそう向き合っていいかわからなかった。