それから、とりとめのない話しを暫くしていたが、
「高藤さん」
社長が急に
「志織さんを、お嬢さんを戴きます」
………
……
…
一瞬 シーン!
『お嬢さんを戴きます』って
普通『お嬢さんを下さい』とか『お嬢さんを戴けませんか』と違うのでしょうか?
『お嬢さんを戴きます』って…社長、云い間違い?したのかしら?
「ハハハ…「フフフ…」」
お父さん、お母さん、お兄ちゃんが笑い出した。
私は…笑いたいんだけど、隣の社長が気になって
社長も何がおかしいのかって顔して三人を見てる。
「失礼。分かりました。藤倉さん、志織をお願いします」
お父さん達が社長に頭を下げてる。
許してくれたんだ。
って…またあっさりと。
な、何か脱力。
「ありがとうございます。志織さんを幸せにしますので」
「お願いしますね。…藤倉さん」
「はい」
お母さんが
「この子、年の割りに子供ぽいので…あまり気の回る方じゃないし、何も出来ませんが、宜しくお願いしますね」
「大丈夫ですよ、お母さん。結構しっかりしてますから」
結構しっかりしてるって
「志織、藤倉さんのいい奥さんになるのよ」
「お、奥さん?は、恥ずかしい」
奥さんだなんて、私 また真っ赤だよ。



