風邪がぶり返して倒れ社長の家に運び込まれた時、兄貴が電話で話したって云ってたっけ。


「いえ、こちらこそ志織さんのお陰で助かってます。秘書として非常に優秀ですので」


な、何か褒められてる!?


あ、雨…降らないかしら?


「あっどうぞ お座り下さい」


「失礼します」


二人、ソファーに


お母さんがお茶を運んで来て


「どうぞ」


「ありがとうございます。あっ、これ何がお好みか分からないもんですから、お口に合うか分かりませんが」


社長が手土産を渡す。


…って、手土産まで気が回ったのね。


――





やっぱ、出来る男は違うわ。