「…い、おい志織って」


へっ?


振り返ると…恭介さん。


「どうかしたんですか?」


「それは俺の台詞だろ。何洗濯物をくしゃくしゃにしてんだ?」


「えっ?」


手元を見ると…


あら!


恭介さんのTシャツが!


しわくちゃ!


「ハ、ハハハ…」


笑ってごまかそ。


「どうした?」


「どうもしてませんよ」


私の顔をじぃっと見て


「……」


い、いや、そんなに見つめられても、こればかりは云えないよ。


手早く洗濯物を畳み


「夕食の支度しますね」


「……」


恭介さんの側を離れようと


「奥様」


ドキッ!


恭介さんに『奥様』と云われると何かあるのよ。


それに今は私がちょっと変な事を考えてたから不利だ。


「ん?何隠してる」


「隠すなんて…人聞きの悪い。何も考えてませんよ」


「ホントに?」


「は、はい。考えてたとしたら…恭介さんのことです」


「ん?」


「だから…恭介さん2月から一人で大丈夫かなって」


それくらい云ってもいいよね、嘘じゃないし。


「ま、何とかなるだろ。結婚するまで長年一人暮らしだったんだし」


それが問題なんじゃない。