「あ、何でもねえよ」
「……」
「ん、夏蜜柑とグレープフルーツでいいのか?」
「はい」
かごに入れてレジへ
買い物袋二袋だ。
「俺が持つから」
二袋を持ち上げようとするのを取り上げて
こんな重い物、無理だろ。
「恭介さん」
「ん?」
「持ってくれるのは有難いですが、私、病気じゃないですから。そんなに気を使ってくれなくても。生まれるまでまだ七ヶ月もあるんですよ。恭介さんの方がばてますよ」
「お前と違って大丈夫だ」
「……」
「人の好意は素直に受けろ」
「フフフ…はい。ありがとうございます」
やっと笑顔を見せた。



