「まさか背中につけられてるとは思わなかった。暖房が効きすぎてたから上着を脱いでたからな」 「……」 「手洗いで後ろからぶつかられて、ついたみたいだな。店内の照明もそんなに明るくなかったし、隣にいた誠達も気づかなかったんだな」 「……」 「電話が掛かってきた時も誰だか分からなかった。だけど口紅がって…つけたことが分かってて云わなかったみたいだ。俺が無視したから腹いせにお前に…志織…悪かったな」 「も、もう…い、いいんです…あの」 「ん?」