「じゃあ、寝てて下さいね」


ベッドに寝かせ氷枕をしてと、部屋を出ようとすると


「恭介さん」


腕を掴まれた。


「……」


目は閉じたまま、何にも云わないけど恭介さんたら。


「此処にいますから…寝て下さい」


ベッドに座り恭介さんの手を握りしめる。


――





暫くして…


やっと眠ったみたい。


手を離して


「おやすみなさい」


RuRuRu


「はい」


「可愛い子ちゃん、恭介…どうだ?」


誠さん


「ありがとうございます。帰りに注射してもらいました。二日程安静にしてれば大丈夫だそうです。インフルエンザじゃなく風邪だそうです」


「うん、そうか。まぁ、鬼の撹乱だな。週末だからゆっくり休めるだろ。志織ちゃん、移るなよ」


「はい、ありがとうございます」


電話を切って…


鬼の撹乱かぁ。


確かに、そうだわ。


さ、今は御飯なんて食べたくないだろうけどお粥を作っておきますか。


私も食べなきゃいけないし。