「志織?」
「ヒック……ヒック…」
「もういいから泣き止め、な」
「き、恭介さん…ごめんなさい」
「だから…何を謝ってんだ?話してくれないと分からないだろ」
「ヒック…ヒック…わ、私が…ば、馬鹿だから…ヒック…」
私の顔を首から離し、覗き込む。
「せっかくの化粧がぐちゃぐちゃだぞ」
指で…そして唇で涙を拭ってくれた。
「せ、せっかくの…き、恭介さんの…お誕生日を…めちゃめちゃにして…ご、ごめんなさい…ヒック…」
「めちゃめちゃって…別にめちゃめちゃになってねぇし」
「ヒック…恭介さん」
また恭介さんの胸に顔を埋めた。
「志織、話さないと分かんねぇだろ。ん?」
恭介さんの云う通りだ。
話さないと…
例え嫌われても…