恭介さんは一瞬ドキッとしたみたいだけど


「フッ ならお前が勝ってもいいな」


「えっ?」


チュッ!


頬にキスして


「賭け成立な」


「は、はい。じゃあ、行きますね」


「ん」


信号が青になり、車をスタートさせた。


5月とは違い、日が沈むのが早い。


恭介さん有利かしら。


――





「私の勝ちでしたね」


ホテルの駐車場に車を停めたその時に、沈んだ。


「同時だから、引き分けだ」


「引き分けですか?」


私の勝ちだと思うんだけど…


「引き分けだ」


「…は~い」


「ん、何?その文句ありそうな顔は?」


ヒ、ヒェ~


「も、文句ありません」


「ん」


ホテルにチェックインして部屋へ―