再び車に乗り、ホテルに向かって走り出した。


「恭介さん」


「ん?」


「私達がホテルに着くのと、夕日が沈むのと、どっちが先でしょうね?」


「賭けんのか?」


「フフフ…賭けましょうか?」


「俺に運転させろ」


「残念でした。今日の運転手は私です」


「チッ お前が勝つって分かってる賭けしても仕方ねえ」


「あら、私は公正ですよ、誰かさんと違って」


「ん?誰かさんって…俺か?」


「フフフ…」


「分かった。ちゃんと運転しろよ」


「はい。恭介さん、どっちにします?」

暫く外を見て


「お前の運転技術なら、夕日だな」


私の運転技術って…


何か失礼な。


「じゃあ、私はホテルで」