「本当に惚れてんのか?」
「は、はい」
「ん。なら…キスして」
「はい?」
何でこの流れでキス?
「志織」
囁くような低い声を耳元で
「キスして」
「く、口紅が」
「も一回塗ればいいだろ。ん?」
恭介さんの瞳が私を射竦める。
まるで催眠術にかけられたように爪先立って恭介さんの唇に唇を重ねる。
――
―
離れようとしたら
「まだだ」
抱きしめられて唇を奪われた。
いつの間にか舌と舌が…絡んでいる。
「ン…ゥゥ…ン」
漸く唇が離れ
私は立っているのがやっとの状態
「大丈夫か?」
「も、もう恭介さんは…」
「クッククク…そんな恰好をしているお前が悪い」
「えっ?」
顔を上げて恭介さんを見ると
「いつもより色っぽい恰好して…まるで襲って下さいって云わんばかりに」
「き、恭介さん!だ、誰もそんなこと云ってませんよ」
誰が『襲って下さい』なんて。
「ば~か!相変わらずの無自覚女だな」
たまに恭介さんの云ってることが分からない。
もう結婚して三ヶ月になるんだけど。



