「わ、私は」
「ん?」
「……」
「云ってみ」
「すみません…妬きました」
「認めんの?」
「だ、だって」
「ん?」
ホテルの方へ歩きながら
「恭介さん」
「ん」
「ほ、ほんの数ヶ月前まで…私…恭介さんの…デ、デートのコーディネートしてたんですから」
「……」
い、云っちゃったよ!
お、怒られる!
「バ~カ」
「……」
「関係ねえだろ」
「……」
「それとも何か?俺が他の女に囲まれて喜んでるとでも?」
「ごごごごめんなさいです」
「はぁ~ ほんとに馬鹿だな」
私…俯いたまま顔上げられない。
私の肩に手を置いて、耳元で
「俺にはお前だけだから」
額にキスを零す。
私…爆発しそう。
「クククク…ハハハ…」
思い切り笑われてる。
「恭介さん」
「ん、さっ、ホテルに戻りがてら、その辺を観光すっか」
「はい」
――
―
だけど、ほんとに綺麗な所だな。
こんな所にハネームーンで来れて幸せ。



