「あの方が旦那さんですか?」
へっ?
あっ、インストラクターさん。
「は、はい」
「カッコイイ旦那さんですね」
「あ、ありがとうございます」
何だか照れちゃう。
「明日は旦那さんと一緒に潜って下さいね」
「えっ?いいんですか?主人は上級ですよ」
「大丈夫です。今日、基本は教えましたから…それに」
「はい」
インストラクターさんが声を小さくして
「今、旦那さんの方に付いてる者が云ってたんですが、女性陣に囲まれて大変だったようですよ」
「……」
「せっかくのダイビングなんですから…お二人で楽しんで下さい。旦那さんになら任せられますから」
「あ、ありがとうございます」
何回も頭を下げる。
「いえ、頭を上げて下さい。楽しんで頂くのが俺らの仕事ですから」
「…はい。ほんとにありがとうございます」
いい人だなぁ、インストラクターさん。
少し大きな声で
「あっ、旦那さんが来られましたよ。じゃあ」
周りに私の『旦那さん』だと分からせてくれてるみたい。
「はい」
すれ違いざまに恭介さんに軽く会釈して行く。
ほんと、いい人に当たってよかった。



