「…い、今まであのお店に予約入れてたの…私です」
「……」
……
…
そうだった!
「…恭介さんが…デ、デートする為に…私が…予約入れてたお店…だ、だから」
「悪かった」
そうだ。今まで付き合ってた女達をあの店に何回か連れて行ったことがある。
そのお膳立てをしてたのはコイツだ。
そこまで気が回らなかった。
当然、あの店のマネージャーとかは俺が毎回違う女を連れてることを知ってる。
だから、黙ってても、好みのワインも出してくれる。
コイツにしたら…そりゃいい気はしないよな。
今までの女達と比べられてると思っても仕方ない。
それでなくても、コンプレックス持ってんのに。
それに比べて、この店は俺にとって隠れ家的な店だから…妹の瑞穂と誠以外連れて来たことはない。
それを知ってるから、よけいに気に入ってるのか。
……
…
悪い事をしたとは思うが…
コイツのヤキモチは…
不謹慎かもしんねえが…
壮絶に…可愛いい。



