「恭介さん、ごめんなさい」 「ん?」 「…遅くなって」 下を向いてる。 「お前が悪いわけじゃねぇし」 「で、でも」 「ん?」 「恭介さん…怒ってるもん」 「怒ってねぇよ」 「……」 俺がコイツに怒るわけねぇじゃん。 怒ってんのは、あの三人組と、付いていってやらなかった自分にだ。 「ほんとに怒ってねぇから。さっ、ケーキ食いに行くんだろ」 「は、はい」 やっと顔を上げて笑った。 ケーキの威力は絶大だ。