「だけど珍しいですね。恭介さんが家族以外の女性を連れて来るなんて…それも続けてだなんて」
女将さんに云われた。
此処は藤倉家のお馴染みの店なんだな。
「あ、あぁ、そうだ紹介しときます。コイツ、俺の嫁さんになる志織」
「志織です。宜しくお願いします」
慌てて頭を下げる。
「あら、恭介さん結婚するの。それはおめでとうございます」
「恭介君、おめでとう」
「ありがとうございます」
よっぽど親しいのね。
――
―
「恭介君、お祝いだ」
ご主人が鯛の兜焼きをサービスしてくれた。
「ありがとうございます」
わぁ~美味しそう。
「このお嬢さんはだいぶ食いしん坊だと…魚を食べるのが上手だ」
食いしん坊って…
恥ずかしい
「あなた、可愛らしいお嬢さんに食いしん坊だなんて」
「あ、いいです、女将さん。事実ですし」
「クククク…」
笑ってるし。



