社長の行きつけの割烹料理屋さんへ―


このお店、前に一回連れて来てもらったんだけど、美味しいのよね。


お魚も新鮮だし。


何より、今までの彼女さんを連れて来たことがないのが一番のお気に入り。


社長には内緒だけど。


やっぱり嫌だもん。

お店の人に比べられるのは。


はぁ~

私、心が狭い女だわ。

自己嫌悪


「どうした?」


へっ?


社長が心配そうに


「やっぱり疲れてるか」


「あ、大丈夫です。何でもありません」

「……」


「ほんとにほんとですから…お腹が空きました」


「ん」


日本酒を飲みながら


「美味しいですね」

カウンターに座っているので、花板さんであるお店のご主人と話しながら、楽しく食べている。