「ん?」


「アイツには玉の輿症候群はない。イケメンにも金持ちにも興味ないらしい」


「はい、イケメンは見てる分にはいいですけどと。それにお金持ちは」


「ハハハ…水野、云ってやれ」


「は、はい。お金持ちは案外ケチが多いし、結婚だって何回もしそうだし…私はいいです、精神が持たないから普通がいいですって」


「堅実志向だから、お前に色目を使うことはない」


「ふ~ん。ま、使い物になればいい」


「あぁ、来週までは水野が行くから」


「お願いします」


「あぁ、頼む」


恭介が部屋を出て行った。