お母様に案内されてリビングへ―
「こんにちは」
えっ?
顔を上げると、妹さんが!
「お前…今日居たのか?」
「当たり前じゃない。兄さんが志織ちゃんを連れて来るのにデートなんかしてられません」
デートなんかって…
妹さん、副社長はいいんですか?
「誠がよく納得したな」
「兄さんとは違って優しいもん。ね~志織ちゃん」
「へっ?あ、あの~」
ど、どう答えたらいいのよ。
「ハハハ… 志織さんが困ってるじゃないか」
「親父」
お父様
「改めまして、いらっしゃい。この賑やかな二人の親父です」
「あっ、初めまして。ご挨拶が遅れて申し訳ありません。高藤志織です」
またまた深々と頭を下げる。
「あぁ、そんな畏まらないで…楽にして下さい。座って、座って」
「はい、失礼します」
お父様…いい人だな。
ダンディで気さくで…
ほんとに社長のお父様かしら。



