Secret Prince[短篇]





自分がフラフラしてることも忘れ、受話器を取る。









「も、もしもし!?」



(……もしもし、梨華?)








電話から聞こえる、愛しい人の声。



たった一日、聞かなかっただけなのに、何だか懐かしく感じた。









「ゆう、元気?」


(…元気。梨華、昨日電話出来なくてゴメン。)







いつもは偉そうなのに、申し訳なさそうに謝る裕二がおもしろかった。







「…平気。気にしない………ゴホっ」



(梨華?)










タイミングよく出る咳。
嫌になる。






「ごめ…ごほっ」


(…風邪?)








止まらない咳のせいで上手く話せない。






ていうか、息するのさえ苦しく感じた。








「裕二…」



話したいのに咳のせいで言葉が出ない。







(野村さん、)




聞こえた裕二を呼ぶ声。






(梨華、悪い。仕事…)



「う、ん」