Secret Prince[短篇]






「…っ」





かーっと顔が赤くなるのが分かった。






「ぷっ、自分から誘ったくせに。」







……だって!

裕二かまってくれなかったんだもん。








「そんな顔したらやめないからね?」



「ゆ…」







その言葉とともに唇が触れる。さっきとは全然違う、深いキス。







「んっ……」





時折漏れる自分の吐息に、なんだか恥ずかしくなる。






「…梨華、あっち行くよ。」








唇が離れてすぐ、裕二は私の腰に手を回す。




キスに酔いしれていた私はまだ意識がはっきりしていなかった。









「あっち?」


「そ。」







その瞬間、私の体が宙に浮いた。






「きゃっ」


「わ、お前重っ」






私の体は裕二の肩の上。…つまり担がれてるってわけ。





「帰さねぇから。」


「っ///」







向かう先は、裕二の匂いがするベッドルーム。